カテゴリー「CD(ジャズ)」の記事

2017年3月 5日 (日)

Michel Petrucciani Live in Tokyo

年明けから、ギタートリオでMichel Petruccianiの曲を演り始めた。と同時にPetruccianiの演奏にハマりまくっている。

Trio In Tokyo (+1 bonus track)

このLive in Tokyo、ジャケットはどうしても特捜最前線のエンディングを彷彿させるが、演奏は全くそれを感じさせない。当たり前か。1997年の録音だからPetruccianiが亡くなる2年前の演奏。ドラムがSteve Gadd、ベースがAnthony Jacksonという最強のメンバということもあり、感動的な演奏を繰り広げている。

Petruccianiのタッチは非常に強く、ピアノに指を叩きつけているような音を聴かせるが、その一音一音の強さは人間の喜怒哀楽といったあらゆる感情を喚起し、涙すら誘う。決して奇をてらった音を選んではいないし、音数も特に多くない。なのに、これほどまでに強烈なグルーヴを生み出し、これだけ人の感情を揺り動かすというのは、一体何なのか。

今気づいたが、1997年ということは、今からちょうど20年前だ。そして、Petruccianiが他界した翌年あたりから私がジャズをぼちぼち聴き始め、その更に翌年あたりからジャズギターを練習し始めたのだな。

このすごい演奏の、どこをどう真似たらいいのか全くわからんが、この世界に近づきたいとひたすら感じながら、毎日聴いている。

2016年3月13日 (日)

Energies of Change

Energies of Change [日本語解説つき]

David Gilmoreの"Energies of Change"。コンテンポラリーなスタイルのギタリストはたくさんいるが、その中でもDavid Gilmoreは絶妙なバランス感覚で、トップクラスのクォリティだと感じる。ピンクフロイドのDavid Gilmourとは別人、念のため。

この心地よさは何か。まず、音色のバランス感覚。エレクトリックギターにおいては、クリーンで甘い音色がベース。他の楽器にぶつからず、うまく溶け合いながら、しかし埋もれることなく、いい艶を出している。楽曲によってエフェクトがかかっているが、これがまた歪み過ぎず、絶妙な感覚。アコギも、シャリシャリ感が強すぎず、よろしい。

フレーズやリズムについては、バップに根差したセンスの上で、自由でコンテンポラリーな歌を歌っている感じで、これまたバランスがいい。

そもそもBen Williams(ba)、Antonio Sanchez(dr)といったメンバーだから、Pat MethenyのUnity Group的なサウンドになるのは当然なのかもしれないが、そのリズム隊をバックにDavid Gilmoreならではの音楽が繰り広げられてとてもユニークな世界を作り出すことに成功しているという感じか。

古さと新しさが綺麗に混在する、ずっと長く聴ける素晴らしいアルバムである。

Energies of Changeというタイトルが、なんか意味深だが、どういう背景なんやろか?

2016年2月20日 (土)

SERVE AND VOLLEY

Serve & Volley

Rochesterでの師匠Bob Sneider (gt) & Paul Hofmann (pf) の2010年のデュオ作品。ギターもピアノも、もう、素晴らしすぎて、あらためてため息をついてしまった。

Bob師匠は、日本人とは全く異なるリズム感とかスウィングとかを体現するギタリストであり、このCDでも素晴らしいノリとビバップに根差した歌い回しでグイグイと音楽を奏でる。シンプルなシングルラインのフレーズでも、これだけ生命力をもってサウンドするのだな。Paul師匠は耽美なサウンドが持ち味であるが、このデュオにおいてはそのスタイルは不変でありながらBob師匠のスタイルにもインスパイアされたパルスを聴かせる。デュオによってソロ+ソロ以上の音楽が創造される・・・常に相互にリスペクトしている二人がなせる業だ。

聴きまくって、勉強しよう。

2016年1月23日 (土)

Jim Hall & Pat Metheny

ギターデュオをやる予定なので、主にコンピングに悩み中。同じ悩みは以前から抱いていて、要するに成長していないということなのだが、今年はちゃんと課題に対して向き合っていこうと思ったりしている。

この前の4月の投稿時
にも同じアルバムを聴いていた記録があるが、やはり、聴けば聴くほど、このJim Hall & Pat Methenyのアルバムはジャズギターデュオの決定盤だと感じる。ソロとコンピング、あるいはフレーズの絡み合いなどが、本当に大人2人の会話にように進行してゆき、静かに美しく溶け合う。解け合う、というのか、いや融け合う、というのか?

コンピングについても、基本的な発想はいくつかのパターンがあり、決して奇をてらったものはない感じ(テクニックのレベルは別として)。Jim HallがUndercurrentで聴かせたようなハーモナイズドベースラインみたいな難しいことは、あまりこのアルバムでは聴かれないが、その方がギターデュオには相応しいのだと感じる。

Jim Hall & Pat Metheny

デュオということに関しては、このJazz Guitar Book Vol.30 も情報満載で楽しい。上記の盤を含めた代表的なアルバムの紹介などもあるし、田辺光邦氏による記事も4ページと短いながらも譜例と解説がポイントを突いており、示唆に富む。

jazz guitar book[ジャズ・ギター・ブック]  Vol.30 (シンコー・ミュージックMOOK)

あとは、練習だ(いつも、そればっかり)。

2015年11月10日 (火)

KRONOS QUARTET "THELONIOUS MONK"

弦楽四重奏団Kronos Quartetによる、MONK曲集。このKronos Quartetは、学生時代(うーん、よくよく考えると20年以上前だ・・・ショック!)によく聴いていたのだが、この盤の存在は数年前に知ったのだった。聴こうと思いつつ、なんか後回しにしていたのだが、ついに聴いた。
Monk Suite

1. Well, You Needn't
2. Rhythm-A-Ning
3. Crepuscule With Nellie
4. Off Minor/ Epistrophy
5. 'Round Midnight
6. Misterioso
7. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
8. Black And Tan Fantasy
9. Brilliant Corners

クロスボーダーな音楽を自在に演奏するKronos Quartetだから、Monkももちろん独自の美学に納めた素晴らしい演奏。ジャズ的なインプロヴィゼーションは聴かれないものの、弦楽四重奏にコンヴァートしたMonkの普遍的な音楽の魅力が堪能できる。例えば、わかりやすい(というか、聴く前から容易に予想していた)'Round Midnightの美しさ。これはもう、ジャズとかクラシックとかいうジャンルを超越した、大人の音楽だ。

全曲を通して、Monkの音楽の奇妙な一面をわざとらしく見せつけず、どちらかというとエレガントな演奏でまとめているのだが、これもKronos Quartetの独自の路線を突っ走る感じで、好感が持てる。例えば、Monkの音楽の良さがよくわからないというリスナーにとって、この盤からMonkに入ってみるというのは、大いにアリだと思う。Monkによる作曲でないものも一部、含まれているが、アルバムとしては統一感のある仕上がり。

Kronos Quartetについては、前述の通り、この20数年間、聴いてきたので色々語りたいことはあるのだが、発散するとキリがないので、とりあえず今日のところはこのMonk曲集のみについて呟いて終わりにしとこ。

2015年9月26日 (土)

DuoRama Standards

布川俊樹(gt)&納浩一(ba)の"DuoRama Standards"。このコンビによる最新アルバムで、タイトル通りスタンダード曲を中心に演奏したアルバム。
DuoRama Standards
全曲を通して、布川節が炸裂という感じであるが、特にこのアルバムでは太い音色で男らしいサウンドが印象的。やはり、コーダルなプレイでありながらコンテンポラリーな色彩を感じさせる独自のスタイル。納氏のベースも、グイグイと前進するグルーヴを生み出し、自由に歌う感じ。

ちなみに、このアルバムは布川氏によるギター教則本とも連動しており(教則本は今のところ、オンラインや書店での販売はされていない模様)、これがまた、とても勉強になる。私がバイブルとしている「続・目からウロコのジャズギター」(菅野義孝・著)とはかなり異なるアプローチやフレージングが多いし、わかりやすい解説もついているので、視野を新たに広げることができる。「はぁー、そういう考え方で、こういうフレーズが出てくるのか」と納得しながら読み、聴くことができる。Lydian7thとか裏コードのマイナーコンバージョンとか、繰り返し姿を現すフレーズなんかもあり、プロもある程度はパターン的な発想でアドリブを組み立てているのだということもわかってくる。よっしゃ!(何が?)

おっ、そういえば、もう秋(今更!)。芸術の秋、意識的に演奏と鑑賞を堪能しよっと。

2014年12月20日 (土)

Javi "GDjazz" Pereiro "Black May"

Black MayというアルバムをMP3で入手した。演奏は、Javi "GDjazz" Pereiro with E.J. Strickland, Josh Ginsburg & Mike Moreno。ほとんどよく知らないプレーヤーばかりだが、ギターがMike Moreno。視聴してみて、いい感じだったので買ってみた次第。

インターネットで検索してみると、Javi Pereiroはスペイン出身のトランぺッターらしい。1982年だから、若いプレイヤーであるな。

Black May
このアルバム、買って大正解だった。トランペットのJavi Pereiroはバップな感じで、しかし全く古さを感じさせない良いサウンド。おしゃれなBGMとしてもイケるだろう。

ギターのMike Morenoが、これまたいい感じで弾いている。個人的には、リーダー作よりも、このアルバムでの演奏の方が好きだ。コンピングは心地良い音色で綺麗にコードを鳴らし、ソロはMike Moreno節であるがバンドのサウンドに自然に溶け込んでおり、かっこよすぎる。Mike Morenoは、実はサイドマンとしてこそ、魅力的なのではないか?違うかな?

ヘビーローテーションで聴いている。この内容で900円とは、信じられない安さ。ありがたい話じゃ。

2014年8月31日 (日)

Charlie Haden "Nocturne"

この夏は、Charlie Hadenをよく聴いた。そんな時に、そのCharlie Hadenの訃報が舞い込んできたのだった。ちょうど、このNocturneを入手して聴いていたところだった。

Nocturne

このアルバム、夏の夜にはピッタリである。ジャズというよりはラテンな曲目ばかりなのだが、まぁそんなことはどうでもいい。夏の夜に、あえて冷房などかけずに、キンと冷やした飲み物片手に、これを聴く。気分は、もうラテンアメリカ。昼間の情熱もさめること半ば、音楽と飲み物でクールダウンしながら何かの幻想を見る、そんなラテンアメリカにトリップ。ま、私は南米には行ったことないけど、そんな気分に浸れるアルバムなのだ。

こんな、目の前に景色が広がってくるような演奏って、ホンマすごいことだ。Charlie Hadenがすごいのか、Gonzalo Rubalcabaがすごいのか。どっちもすごいんでしょうね。下手なギターでも、そんなことができるようになりたい。

Charlie Hadenに合掌しつつ、今夜もこのアルバムを聴いて、とろけるような気分で寝よう。

2014年8月 9日 (土)

Ron Carter 「ジム・ホールの思い出」

ジム・ホールの想い出

先日も触れたが、Ron Carterの「ジム・ホールの思い出」。Ron Carter(ba)、Peter Bernstein(gt)、Larry Coryell(gt)。ジャケットもかっこいいので、大きめの画像を貼り付けちゃおう。

1月の亡くなったJim Hallとともに来日するはずだったRon Carterが、Jimとのデュオの代わりにトリオで来日し、追悼ライブを行ったものの録音。

とにかくめちゃくちゃ素晴らしい名盤だ。もう、一曲目With A Song in My Heartの冒頭から、心地よいサウンドにうっとりしてしまう。このトリオが生み出す空気に、一気に引き込まれてしまう。

Ron Carterの語りは初めて聞いた。渋い。

All The Things You Are、Alone Together、いずれも言うまでもなく素晴らしい名演。Alone TogetherはJim Hall、Ron Carterのデュオの歴史的な録音を思い出さざるを得ないが、ここでは、それに全くとらわれず、このトリオならではの音楽をこれでもかと展開してくれる。美しすぎる。

There Will Never Be Another You、この曲って、こんなにエレガントだったのか!どっちかというと楽しい、もっと言うと能天気な雰囲気の曲だと感じながら聴いたり弾いたりしてきたのだが。この演奏で美しく流れるメロディやソロを聴いて、大きく認識を改めた。

St.Thomasもアルバム"Alone Together"での名演に匹敵する美しい演奏。上述のAlone Togetherと同様、歴史的な名演に引きずられない新たなサウンド。どこかの楽園にいるかのような夢見心地で聴いてしまう。

最後はBags Groove。ジャズブルースかくあるべし、という見本のような演奏。ただただひれ伏すばかり。

ヘビーローテーションで聴きまくり。たまらん。

2014年5月30日 (金)

Pat Metheny "UNITY BAND"

Unity Band
今さらながら、Pat MethenyのUNITY BAND。普段、あまり新しいアルバムって買わないから、このアルバムも発売から2年ほど経ってようやく買った次第。

日常的にPat Methenyはよく聴いているが、いやぁやっぱりこのアルバムも、イイ。アコースティックやピカソを含む複数の種類のギターを使い分けており、多彩なサウンドを順繰りに楽しめる。

オープニングの"New Year"で、一度聴いたら忘れられないようなマイナーキーのメロディアスなテーマとテンポよく引き継がれるソロで疾走感を味わい、いきなり引き込まれる。そこから最後の"Breakdealer"まで、高揚した気分のまま一気に聴いてしまう。

ドラムのAntonio Sanchezは、以前BuffaloでPat Metheny Trioのライブで聴いて、こりゃ上手いドラマーやなぁと思っていたらあれよあれよという間にビッグなプレーヤーになった。このアルバムでも、素晴らしいリズムと音色を聴かせる。Chris Potter、Ben Williamsともに男らしいプレイでグイグイと進んでゆく。

このUnity Bandの進化の先にあるUnity Groupの"Kin"も、聴いてみたい。でも、今はUnity Bandを何度聴いても楽しいので、Kinはしばらく先かな。

Kin